背徳の薔園2015年03月25日 16:57

イラスト 吾妻 巳緋さま
ステラ☆ノベルさまより配信(ステラ☆ノベルさまのURLはこちら

背徳の薔園

晟良は血のつながらぬ叔父の行成を盲愛している。
行成の好む服を着て、行成の好む形に髪を整え、行成の好む言葉を使う。
すべては幸成のため。行成の愛を失いたくないため。
晟良は、その一心で、今日も行成の求めるとおりの自分を、人形のように演じている。
晟良は家族の愛を知らない。
母は晟良を捨てて男を選び、父は晟良を顧みることなく死んだ。
両親の死後、晟良を引き取ってくれた叔母は、晟良を疎んじ、事あるごとに「ふしだらな女が産んだ子」と晟良を罵る。
だが、行成との偶然の出会いによって、その日々も終わった。
行成は、いささか強引とも言える手口で晟良を引き取り、以来、甥として、そして、自身の『秘密の恋人』として育てる。
季節になると薔薇で覆いつくされる豪奢な洋館での行成との暮らしは、晟良に安らぎをもたらし、行成は晟良にとって唯一無二の存在となった。
だが……。
二十歳の誕生日を目前に控えた晟良の心の中には、抑えきれない欲望がいつしか育っていた。
もっと、もっと、行成に愛されたい。
もう、子供だましのやさしいキスなんかじゃ満足できない。
二十歳の誕生日のプレゼントには、行成の大人のキスが欲しい。
けれども、晟良のその願いがかなえられることはなかった。
行成は肉欲を拒絶している。晟良にもそれを求めることを許さない。
今まで、自分は愛されていると思っていた。自分こそが行成の『恋人』だと信じて疑わなかった。
なのに、どうして、行成は自分をほんとうの恋人にしてくれないのだろう?晟良は血のつながらぬ叔父の行成を盲愛している。
行成の好む服を着て、行成の好む形に髪を整え、行成の好む言葉を使う。
すべては幸成のため。行成の愛を失いたくないため。
晟良は、その一心で、今日も行成の求めるとおりの自分を、人形のように演じている。
晟良は家族の愛を知らない。
母は晟良を捨てて男を選び、父は晟良を顧みることなく死んだ。
両親の死後、晟良を引き取ってくれた叔母は、晟良を疎んじ、事あるごとに「ふしだらな女が産んだ子」と晟良を罵る。
だが、行成との偶然の出会いによって、その日々も終わった。
行成は、いささか強引とも言える手口で晟良を引き取り、以来、甥として、そして、自身の『秘密の恋人』として育てる。
季節になると薔薇で覆いつくされる豪奢な洋館での行成との暮らしは、晟良に安らぎをもたらし、行成は晟良にとって唯一無二の存在となった。
だが……。
二十歳の誕生日を目前に控えた晟良の心の中には、抑えきれない欲望がいつしか育っていた。
もっと、もっと、行成に愛されたい。
もう、子供だましのやさしいキスなんかじゃ満足できない。
二十歳の誕生日のプレゼントには、行成の大人のキスが欲しい。
けれども、晟良のその願いがかなえられることはなかった。
行成は肉欲を拒絶している。晟良にもそれを求めることを許さない。
今まで、自分は愛されていると思っていた。自分こそが行成の『恋人』だと信じて疑わなかった。
なのに、どうして、行成は自分をほんとうの恋人にしてくれないのだろう?
思い煩う気持ちは、晟良をいけない遊びへと追い立てる。
行成の眼を盗み、禁じられた肉欲を解放する行為は、晟良を惨めにさせる一方で、たまらなく、刺激的でもあった。
叔母は正しかった。ふしだらな母から産まれた自分もまたふしだらなのだ。
どこにも出口のない思いを強引に押し開いたのは、清宮の家で園丁として働く高遠という男。
高遠は「あいつの代わりに俺が抱いてやる」と晟良に言い放つ。
愛しているのは清成だ。晟良の心は、今も、苦しいほどに清成を求めている。
けれども、身体は高遠に与えられる快楽の虜囚となっていき、そして……。

という感じの薄暗いお話です。
一点の曇りもないハッピーエンドというわけではありません。
「ある意味、これってハッピーエンドだよね」くらいの感じです。
そういうのがお好きな方、許せる方は、よかったら、読んでやってください。
拙作、『人形遊戯』や『桜淫』、『彼と彼たち』などと同じ系統になると思いますので、あれなら大丈夫とおっしゃっていただける方にはお許しいただけるのではないかと思います(ちなみに、自分では『人形遊戯』『桜淫』『背徳の薇園』の三作を、勝手にお屋敷シリーズと呼んでます)。
愛している人は抱いてくれない。
だから、別の男に抱かれたくなる。
行成と晟良は結婚しているわけではありませんので厳密には違いますが、書いていて、なんだか不倫カップルみたいだなと思っていました。
文中では、晟良は高遠のことを「愛してもいない男」と言い切っていますが、姫野には、晟良と高遠の間には、晟良と行成の間のそれとは、また違った種類の、何か情のようなものがあったように感じます。
行成には晟良を抱かない理由があり、また、高遠には晟良を抱く理由がありました。
ネタバレになっちゃうのでここには書きませんが、気になる方は、よろしかったら、読んで確かめてやってください。
イラストは吾妻巳緋さまです。
もう、すっかり、すーっっっかり、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
吾妻さまがすごく早くお仕事に取り掛かってくださって、とても、助かりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
ほんとうに、ありがとうございました。
吾妻さまには、表紙のほか、本文にも二枚カラーイラストを描いていただきました。
最初のは、行成と晟良のキスシーンなのですが、この時の晟良の、なんと、清楚で可憐なこと。
この子が、のちに、高遠との不倫とも言えるような愛欲に溺れていくのねーと思うと、胸に迫るものがあります。
二枚目のイラストとのギャップを、どうぞお楽しみください。
しかし、この二枚目のイラストを拝見して感じたのですが……。
しみったれた貧乏くさい部屋って、なんか、妙にエロいですね。エロいというか、猥褻な感じ?

俺のセフレのキスが甘過ぎる件について2013年03月26日 18:10

姫野百合のお仕事の紹介です。

配 信  / ミルククラウン
ジャンル / BL
イラスト / 高田ロノジさま



俺のセフレのキスが甘過ぎる件について



 俺は藤永飛鳥。入社二年目のサラリーマン。身長は見栄張って175センチ。最近ハマっているのは自転車通勤。
 だって、カッコいい自転車で通勤して女の子の注目浴びまくり、なんて、かなり魅力的じゃないか。
 そんなわけで、ボーナスはたいてカッコいい自転車を買った。ウェアもそろえた。しかし、イマイチ女の子にはモテない。
 おまけに、毎朝出会う自転車通勤男。こいつがめちゃくちゃムカつくんだよな。背高い。肩幅広い。細身だけどばっちり筋肉ついてる細マッチョで、ついでに、かーなーりー男前。乗ってる自転車もちょー高いヤツだ。
 ヤツの名前は片平柊司。噂に聞いたところでは、ヤザワが運営してる自転車チームの所属選手らしい。
 何かというと俺に絡んでくる片平のことが、正直、俺は猛烈に苦手。
 でも、 ある雨の日、成り行きで片平と飲む羽目に……。
 話してみると、片平は意外といいヤツだった。つい、うっかり飲み過ぎた俺は、やっぱり成り行きで片平とヤっちゃった。 
 俺と片平の関係って、いったい、なんだろう? これって、もしかして、セフレってヤツ?
 でも、片平のキスは甘い。エッチは気持ちいい。それに、片平と一緒にいると、すごく楽しい。
 なんなの、これ? 相手は片平だぞ? セフレ相手にこの感情ってありえない。俺、マジでヤバくない?

まず、最初に、ご注意いただくことを二点。
そのいち 女の子が出てきます。
そのに  いつもの姫野よりラブ&エロ大増量です。

 どっちも、ここだけ飛ばせば大丈夫的な頻度ではなくがっつり出てきますので、苦手な方はご注意ください。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 配信について、詳しいことはミルククラウンさまのページをご覧ください。→http://www.milk-crown.net/
 女の子好きでちょっとチャラ目なサラリーマンが、イケメン細マッチョでついでにインテリなアスリートに出会ってオトされるお話、ですかね???
 久しぶりに、享楽的というか、快楽に忠実な主人公だったので、つい、手が滑って、いつもの姫野と比べラブ&エロ大増量となってしまいました。か~な~り甘々なのではないかと……(たぶん)。
 自転車レースのコースも実際に走ってきました(自動車で、ですが。←自転車でなんて無理)。
 飛鳥が素直で明るい性格だったこともあって、ラブ&エロ大増量な割には健康的なお話なのではないかと思います。
 高田ロノジさまのお手による、片平さんのばっちり割れた腹筋も萌えですよ~v
 そして、今回一番お気に入りの台詞はコレ。
 「この気持ちよさがわかんないなんて、かわいそう」

マフィアの花嫁 ~オレンジの花をきみに~2012年06月18日 12:36


姫野百合のお仕事の紹介です。

セシル文庫
ジャンル/BL
イラスト/志十 嶽さま



 藍は、花屋でバイトをしているごくごく普通の大学生。両親を早くに亡くして、今は育ててくれた祖母とふたり暮らしだ。
 そんな藍の前に、現れたのは、海運会社の社長だというイタリア人・ファウスト。ファウストは、登校途中の藍をさらい、イタリアへと拉致する。
 藍は何も知らなかったが、実は、藍の祖父はマフィアのボスだったのだという。次期後継者の最有力候補は、現在のボスの養子・ファウストだが、ファウストを快く思っていない連中は、先代の孫である藍を担ぎ出して傀儡政権を作ろうと画策しているらしい。
 全くその気もないのにマフィアの後継者争いに巻き込まれてしまった藍を待っていたのは、マンションの一室に軟禁される日々。すべての情報から遮断され、自由はいっさいない。
 何よりもつらいのは、ファウストが藍に向ける冷たい眼差し。それほどに自分は憎まれているのかと、胸が痛くなる。
 なんとかして日本に帰りたい。そう思った藍は、ある日、隙をついて逃げ出そうとするが、すぐにファウストに見つかって連れ戻されてしまう。
 怒り狂ったファウストは、逃げ出した罰だとばかりに、藍を手ひどく陵辱した。
 以来、ファウストによる陵辱の日々が続き、藍は……。

 てなわけで、舞台はイタリアです。
 といっても、前半は軟禁生活なので、マンションの一室からほとんど出ないんですけど、後半は南イタリア・プーリア地方に移動して、観光地めぐりしたり、美味しいもの食べたりしてます。ふたりと一緒に南イタリア観光している気分にでもなっていただけたら幸いです。
 それと、今回、藍は日本人ですけど、ファウストは生粋のイタリア人です。こういう場合、いったい、ふたりは何語でしゃべってるんだろう?、ってのは、お話を書く上でも相当悩むところではありますね。
 よくあるパターンそのいち ファウストは天才なので日本語も堪能だった。
 よくあるパターンそのに  藍がイタリアに興味を持っていてイタリア語が話せた。
 よくあるパターンそのさん 何語かわかんないけど、なんか言葉が通じてる。
 で、どれにするか考えて、結局、そのどれでもないパターンそのよんを今回は採用してみることにしました。
 つまり、言葉が通じない。
 けれども、全く意志の疎通がかなわないと話にならないので、通訳のウノさんに登場してもらうことにしました。ウノさんはナゾの人ですが、まあまあ美味しいキャラになったのではないかと思っています。
 なんにしても、一度、言葉の通じない恋人同士というものを書いてみたかったので、今回が念願がかなってちょっとうれしいです。新井昭乃さん作の『Adesso e Fortuna ~炎と永遠~』なんか聞きながら読んでいただけると、雰囲気出るかもです。