『黒の将軍と東の塔の魔女のこと』 そのに2013年01月11日 10:37

『黒の将軍と東の塔の魔女』のあとがきに書ききれなかったこと、その2です。
ネタバレっぽい内容もあるかもと思いますので、そういうのがおきらいな方は飛ばしてください。よろしくお願いします。

その2は、レオニダスのパパのこと。
レオさまのパパといえば、イグニス王。まだ王太子だった頃に、旅先でレオさまのママである旅芸人の踊り子を見初め、レオさまを孕ませた人です。
レオさまは、レオパパのことを、権力をかさに着ていたいけな少女を手篭めにしたひどいヤツ、みたいな風に言っていますが、姫野は、実は、レオパパとレオママは心から愛し合っていたのではないかと思っています。純愛だったんですね。でも、レオパパの身分がそれを許さなかった……。
レオママは、レオパパを愛しているからこそ、身を引いたのではないでしょうか。レオママが、もっと長生きしていたら、それをレオさまに語って聞かせる機会もあったのでしょうが、もし、そうだったのであれば、黒の将軍は誕生しなかった気もします。

ちなみに、イグニス王。彼はレオさまが自分の息子であることを知っていると思います。知っていて、イグニスの将軍職につくことを許したのは、父親としての情だったのか、それとも、レオニダスの能力を認めた故だったのか……。そのあたりは、姫野にもよくわかりません。
もひとつちなみに、イグニスのまだ立太子も住んでいない第一王子もレオさまが自分の兄であることを知っていて、レオさまにひそかにライバル心を抱いているようです。
日本では、将軍の子供でさえあれば、母親の身分がどうであれ将軍になることができたし、また、その母親も『お腹さま』として大切にしてもらえましたが、中世ヨーロッパでは、正妻以外の女性が産んだ子供が顧みられることはなかったようです。だから、いくら、レオさまが「俺はイグニス王の息子なんだぜ」ってがんばっても誰も相手にはしてくれませんし、第一王子さまの地位が揺らぐことはないのですが……。第一王子さまからすれば、男のプライドの問題なのかな? レオさまにしてみれば、いい迷惑?